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床暖房のメリットデメリットは?

ローコスト住宅でも見かけるようになった、床暖房ですが導入して後悔している方が意外と多く、しっかりとメリットデメリットを把握して本当に必要かどうかを検討したうえで導入した方が良いのではないか?と思いこの記事を書きました。意外に多い床暖房のデメリットですが、冬場の超快適さに惹かれる方も多いと思います。メリットデメリットを理解したうえで導入しましょう



床暖房のメリット

新築の家であれば、ちょっと考える方も多い床暖房。「年中ポカポカなお家」「冬場は足元が冷えるのよね‥」等々、導入したくなる仕様の一つであると思います。

その床暖房のメリットを紹介したいと思います。

家全体が暖かい

床暖房の最大のメリットは、床全体を温める事で家全体を暖めるという仕様です。

特に冬場は足元が冷たいと、寒さが身に染みる事もあると思います。エアコンやファンヒーターを利用しても床は直ぐに温まらない事を考えるとちょっと憧れる仕様と言えます。

私自身も床暖房のある場所に寝泊まりした事がありますが、「床暖房の快適さは別格、エアコンやファンヒータでは得られないポカポカ感」と表現されるように、足元からポカポカするのは特別な快適さがあります。

家事をされる奥さんであれば、家中を動き回る訳ですし床暖房でなければ寒い場所もどうしても出てきます。

慢性的に冷えに悩んでいらっしゃる方は特にあこがれる仕様とも言えますし、私自身も寒がりなのでちょっと憧れました。

ホコリが舞いにくい

床暖房はエアコンやファンヒーターと違い、空気循環は穏やかです。

ホコリが空気中に舞いにくく、特に乾燥した季節ですとウィルスや細菌はホコリと一緒に舞っていますので、ある程度のメリットがあると思われます。

床暖房 メリット デメリット

部屋が乾燥しにくい【諸説あり】

エアコンで部屋を暖めている場合、部屋が乾燥する原因となります。エアコン内部から外に管があり、水がポトポト落ちるのは皆さんご存知だと思いますが、エアコンは仕様上どうしも部屋の湿度を奪ってしまう構造になっております。

ファンヒーターも湿度が下がるのでは?と思われている方が多いと思いますが、実はファンヒーターは逆に湿度を高める働きがあります。

ためしてガッテンでも紹介されておりましたが、ファンヒーターを付けた直後は部屋の湿度がさがりましたが、徐々に部屋の湿度が高まったという実験結果があります。

実はファンヒーターの様に、部屋の空気を利用して燃焼するタイプの暖房器具は化学反応によって水分を放出しているそうです。

床暖房 メリット デメリット

この事を考えると、部屋が乾燥しにくいメリットを活かせるのは、あくまでもエアコンで暖房を利用している家庭に限られるという事になります。(ガス会社の床暖房ホームページでは床暖房のメリットはエアコンのみの場合と比較してメリットを強調していました…)

また、様々な床暖房のホームページを拝見すると、「床暖房は乾燥しますよ~」という意見が多く、メカニズムははっきりわかっていない様子ですが、家全体を暖める事と床暖房自体が加湿している訳では無いので、床暖房は湿度が逃げてしまう構造になっているのかも?という理由でした。



暖房器具が無くてすっきり

床暖房は床そのものが暖かくなりますので、暖房器具が必要ありません。

スッキリとして過ごしやすいというのもメリットの一つと言えます。確かに、たまにファンヒーターにつまずいて緊急停止という事もありますよね。

音がしない

床暖房は無音というのもメリットです。ファンヒーターやエアコンも大きい音はしませんが無音とまでは行きません。

ファンヒーターも最大出力にすると、やはり気になる方は気になる程度の音が出ますので、そういう面でも床暖房はメリットがあります。



床暖房のデメリット

ここまで床暖房のメリットを紹介しましたが、実は床暖房はデメリットが非常に多く、本当に必要かどうかをしっかりと検討した方が良いと思います。

光熱費が高くなる

床暖房にも様々な種類があり、どれくらい余分に光熱費が掛かるかは仕様によって異なりますので一概には言えませんが。一つの例として、一条工務店で全室床暖房をエコキュート等の温水式で利用した場合、1ヵ月1万円程度の電気代(床暖房+エアコン)が余分にかかる計算です。(他のホームページで実際に建てた方のデータです。)

これを聞くと、「全室温めて冬場で1万円位なら安いのでは?」と思われるかもしれませんが、一条工務店は非常に高い値段で高い品質の高断熱高気密の家を作られ、その環境の中でエコキュート等で作った温水を1万円分利用しているという事です。

エコキュートはもともと安い深夜電力を利用して温水を作る仕様ですので、我が家でも毎日お風呂や食器洗い等に利用しても2000円程度です。それが床暖房のお湯だけで1万円分必要ですので、かなりのお湯を利用しなければ家全体を暖めるというのは難しいと考えられます。

実は床暖房にはガスでお湯を作ったり、電気でそのまま蓄熱材を温める形式もあり、特にガスでお湯を作る仕様の場合は慎重に検討する必要があります

床暖房 メリット デメリット

と言うのも床暖房で利用する大量の温水を高値のプロパンガスで作り出す場合、光熱費が跳ね上がる可能性があるからです。

皆さんも経験があると思いますが、ガス代が跳ね上がるのは冬場だと思います。冷たいお水を温かくするにはかなりのガスを使わなければなりません。

ガス+電気を利用するプランであれば格安の深夜電力を利用する事も出来ませんし、床暖房で使う大量のお湯を割引があるとしても高値のプロパンガスで作るという仕様であれば注意が必要です。

床暖房 メリット デメリット

光熱費がどれくらいかかるかをしっかり把握しておかないと「せっかく設置したのに光熱費が高すぎて使っていない」という方も実際に多くいらっしゃいます。

特にローコスト住宅を検討されている方は光熱費が上がる事に敏感な方も多いと思います。エコジョーズなど以前よりはガスの熱効率が上がり1Lのお湯を作るガスの値段は昔よりは下がっていますが、エコキュートが作るお湯の値段とプロパンガスで作るお湯の値段には大きな隔たりがあります。

床暖房では光熱費がいくらくらいかをしっかりと把握してライフプランに影響がないか確認したうえで導入しましょう。

床暖房 メリット デメリット

導入費用が高額

床暖房のデメリットに導入費用が非常に高額というのがあります。

床暖房の規模にもよりますが、50万~100万円程度の金額は掛かってしまいますので、ローコスト住宅を検討されている方で床暖房をつける方は少数派なのかもしれません。

私自身も、恥ずかしい話ですが「こういうオプションがありますよ?」とローコスト住宅メーカーの方から提案があっても、「オプションは極力無しの方向性で考えてます…(汗」と言った風に、内心【オプション全部無しでも建てられるのかな…】と思っていた節もありますので、導入費用が高い物は元々検討外という感じでした。

床暖房 メリット デメリット

メンテナンス費用が発生する。

基本的に床暖房は20年~30年以上メンテナンス無しでも利用出来る場合が多いですが、寒冷地などで不凍液を利用されている場合はメーカー推奨で3年、多くの方は5年に一度交換が必要です。

費用は床暖房の規模にもよりますが、リビングに18畳程度設置した場合で5万円程度だそうです。

10年以上放置していると、不凍液の場合パイプの中で不凍液がドロドロになり最悪の場合詰まる事もあるそうです。床暖房は寒冷地でこそ真価を発揮する仕様ですので、不凍液の仕様の方はしっかりメンテナンスをする必要があります。

20年~30年で半数が使わなくなる

床暖房のメーカー様のホームページを調べれば分かるのですが、床暖房の耐用年数は大体20~30年程度と言われております。

床暖房の統計によると、床暖房を設置してから20年~30年以上経過した住宅では半数以上が利用していないという統計が出ております。

一度壊れてしまうと、多額な修理費用が発生しますし、定期的に発生するメンテナンス費用も負担の原因となっているのかもしれません。

床暖房 メリット デメリット

コストパフォーマンスが低い

床暖房はエアコン等と違い、冬場のみに活躍する仕様です。

一年を通して2~3ヵ月程度しか利用しない仕様にそこまでお金を掛けるというのも勿体ない気がします。

寒冷地などメリットの多い地域であればまだ良いですが、資金に余裕が無いのであれば無理に設置する必要はないのかもしれません。

カーペットや絨毯に注意が必要

床暖房の場合、カーペットや絨毯を床暖房に合わせて選択する必要があります。

実は床暖房に対応したカーペットが非常に少なく、毛足の長いカーペットや厚手の物は床暖房と合わなかったりと、選ぶのが結構大変です。

もしあったとしても大量生産していない商品が多く、高額な傾向があります。

床暖房 メリット デメリット

乾燥する

床暖房は乾燥しにくいという記述を多くのメーカー様のホームページで拝見しますが、実際に導入されている方の体験としては「床暖房も乾燥しますよ~」という意見が多いです。

はっきりとしたメカニズムはどこにも書いてありませんでしたが、【家全体を暖める事】+【床暖房は加湿していない】という2つの要素が湿度を家から逃がしている原因ではないか?という推測でした。



暖まるのに時間がかかる

床暖房は暖まるのに時間がかかります。基本的には冬場は床暖房を付けっぱなしにしているか、タイマーで調整する事となるとは思いますが、暖まるのに時間が掛かる分、どうしても実際に利用する時間より長めに稼働する必要があります。

微調整が出来ない

床暖房は、「ちょっと暑いから温度を下げよう。」「ちょっと寒いかな?」と思ってもすぐに温度を変える事が出来ません。

基本的に快適な温度に設定しているとは思いますのでそこまで気にする必要はないのかもしれませんが、寒くなり始めた時期や暖かくなり始めた時期などの微妙な期間や朝昼の寒暖差が激しい時期などですと、予想以上に温かい場合の調整が難しいという面が出てきます。【予想以上に寒い場合は問題ないと思います。】

ローコスト住宅でも高気密高断熱

最近の住宅はローコスト住宅であっても高断熱高断熱の住宅を得る事が可能です。

正直、床暖房が無くても毛足の長い絨毯を引いたり、電気カーペットを引けば十分すぎる程快適です。

流石に、朝起きてすぐは肌寒く感じる事がありますが、暖房を付ければすぐに解決する問題です。特にローコスト住宅を検討されている方であれば、無理に床暖房にせず太陽光パネルなど本当に必要な仕様に資金を注いだ方が良いかもしれません。

床暖房のメリットデメリットのまとめ

冬場、特に寒冷地での床暖房の快適さは格別です。ただし、家全体を暖めるという事は設置費用も維持費用も光熱費も余分に発生するという事です。

特に、ローコスト住宅を検討されている方は費用に慎重な面があると思います。

ライフプランをよく検討しながら床暖房が本当に必要なのか?導入しても維持できるのか?床暖房以外に必要な仕様はないのか?しっかりと検討して導入される事をお勧め致します。