ローコスト住宅 > ローコストハウス仕様> 2階リビングのメリットデメリット

2階リビングのメリットデメリットは?

ローコスト住宅の場合、企画住宅ですので2Fがリビングという仕様はあまり見かけない仕様ではあります。

ただし、間取りの変更であればローコスト住宅でもそこまでコストを上昇させずに可能ですので、ライフスタイルや間取りの配置の関係上、2階にリビングを設置する可能性もあります。

実は私自身の実家【両親の家】も30年前の話ですが、増築した際に2Fにリビングを作りました、その経験や色々な人の意見をまとめながら、メリットデメリットを紹介していきたいと思います。

2階リビングのメリット

リビングからの景色が良い

2階リビングは、窓からの景色が良い傾向にあります。

これは私自身もすごく感じた内容で、リビングには大きめの窓を景色の良い方角に設置する傾向があります。

景色の良い場所であれば、リビングからの眺めはとても心地よい景色にもなります。

マイホーム周辺の景色が良く、リビングを2階にする事で更にその景色を活かせるのであれば2階リビングも検討する価値があると思います。

私が丁度小学生の頃に2階のリビングを増築したのですが、幼いながらも「素敵な眺めだなぁ…」としみじみと思ったことを鮮明に覚えております。

2階にあるリビング

プライバシーを守りやすい

この点は、周りの環境にもよりますが、1階がリビングの時よりも2階がリビングの方が周囲からリビングが見えにくい傾向にありますので、プライバシーを守りやすい傾向にあります。

リビングで過ごす時間はどうしても長くなりがちですので、リビングにいると隣の方と目が合いやすい等、周囲の環境が1階のリビングだと過ごしにくいなぁ…と感じられる様子でしたら2階リビングも検討の余地があります。

光や風を取り込みやすい

2階のリビングは1階よりも遥かに日光が入り易い環境となります。

特に、狭小地や旗竿地等で周りの住宅との距離があまりなく、1階に日光が入りにくい場所であれば2階リビングのメリットが向上します。

私の実家【両親の家】も1階にいるときと2階のリビングにいる時は、「別世界にいるみたいに明るい」というぐらい日光の入り具合が違いました。

もちろん、隣のお家との距離がある程度あれば、そこまでの差はありませんので、あくまでも日光が入りにくい土地でのメリットと言えます。

2階にあるリビングに光が差す様子

天井を高くしやすい

1階と異なり2階の場合、屋根の形状をうまく調整すれば吹き抜け等を利用せずに高めの天井にする事も可能です。

またロフトなどの仕様も設置しやすい傾向にあります。屋根に利用される空間をリビングとして有効活用したい場合はメリットとなります。

中にはリビングの高天井と日当たりの良さを利用して、室内物干しを上手に設置されておられる方もいらっしゃいます。

ローコスト住宅の場合、2階のリビングという仕様はあまりありませんので、更に天井を開放感ある仕様に変更すると価格的に上昇する可能性もありますので、その点は注意が必要です。

バルコニーとの相性が良い

2階に広めのバルコニーを設置した場合、2階のリビングと相性がよい傾向があります。

リビングから見える場所に、プランター等の植物を栽培されるのも良いでしょう。

バルコニーの風景

耐震性が増す傾向にある

1階に柱が多い方が耐震性能があがる傾向にあります。2階リビングであれば、1階は各部屋で仕切られますので床や柱が必然的に1階に増える事となります。

1階にリビングがある場合と比べれば、2階リビングの方が耐震性能は高くなります。



2階リビングのデメリット

宅配便や来客の対応が面倒

2階リビングの場合、どうしてもリビングから玄関の間には階段があり、ある程度の距離がある傾向があります。

もちろん、カメラ付きインターホンを活用し来客の対応の負担をを最低限にする事も可能ですし、宅配ボックス等を利用すれば玄関まで行かなくても受け取りは可能となります。

2階リビングを検討されているのであれば、宅配ボックスも検討して良いかもしれません。

宅配ボックスの様子

生活導線との兼ね合いが難しい

2階にリビングを設置した場合、どうしても生活の中心を2階にせざるを得なくなってしまいます。

キッチンを2階に持ってくるのか?お風呂や洗面所などの水回りを2階に持ってくるのか?といった生活全般との兼ね合いが非常に難しくなってしまいます。

もちろん、何かをする度に1階に降りたり2階にあがったりというのは、毎日生活する場所ですので結構な負担になります。

我が家は1階にしかトイレがありませんので、夜トイレに行きたくなった時は1階まで階段を下りる必要がありますが、「眠たいのに1階まで降りるの大変だなぁ」とよく思います。

ちょっとした負担でも、毎日続けば結構なストレスになります。2階リビングを検討されているのであれば、生活スタイルやライフプランをしっかりと練って、ストレスのより少ない家づくりをされる事をお勧め致します。

キッチン等も2階になる可能性も

2階にリビングを設置した場合、キッチンも2階になる可能性が非常に高くなります。

食材等の買い物の多くを2階まで毎回運ぶ必要がありますしゴミも1階に持って行く必要があります。家事の中心もキッチンになりますので、1階と2階の上り下りがどうしても増加する傾向にあります。

そういった面も含めて、キッチンだけでなくお風呂等の水回りも2階になる可能性が高いと言えます。

家事の負担を軽減したいという事を考えると、2階リビングはデメリットが多い仕様と言えます。

キッチンの様子

住みにくい家になる可能性も

2階にリビングを設置した場合、家事の導線や生活導線などをしっかりと計画して間取りや仕様を検討しないと、「ちょっと住みにくいなぁ…」と感じる部分がどうしても出てしまいます。

ローコスト住宅の場合、そこまで大幅に仕様を変更して2階リビングを希望される方は少ないと思いますが、中には完全注文住宅のローコスト住宅も存在します。

家の住み心地は、住んでからある程度時間が経過しなければ分からない部分も多く、「こうしとけば良かったかなぁ…」という事も2年3年住んでみなければ分かりません。

2階にリビングを設置するには、そういったリスクも存在する事をしっかりと把握して計画しましょう。

家族の動きを把握しにくい

2階にリビングがある場合、家族が帰ってくる様子や誰かが出ていく様子が把握しにくくなってしまいます。

特に子供さんがおられる家庭であれば、「いつの間にか家に帰ってきたみたいだけど、遊びに行っちゃった…?」という事も起きやすくなってしまいます。

もし2階リビングをされる場合は玄関の上の部分を吹き抜けにして、人の出入りを把握しやすくしたり、玄関の開け閉めで音が鳴る様なチャイムを設置するなどの工夫も良いでしょう。

多くのローコスト住宅の仕様の場合、玄関を入ってすぐの場所にリビングがありますので、家族の動きは手に取る様に分かります。

 

特に子育て世代であれば、2階リビングは少し使いにくい仕様と言えます。

足りまわる男の子

寝室に音が響きやすい

2階リビングの場合、寝室や各部屋は1階になる場合が多いと思います。

1階に設置していれば気にならなかったであろう、洗濯機の音や食器洗い乾燥機、足音やトイレの水が流れる音等がどうしても寝室に響いてしまいます。

特にオール電化の場合、深夜に洗濯乾燥機や食器洗い乾燥機を利用したくなりますので、深夜利用しがちで音の発生する家電の下の空間は特に気を付ける必要がありますし、真下ではなくても音は響きますので、その点は予測して間取りを考えましょう。

うるさくて耳を塞ぐ女性

階段の上り下りの負担が増える

2階リビングの場合、どうしても階段の上り下りの回数が増える傾向にあります。

若い時は良いのですが、高齢化した時に階段の上り下りが負担になってくると2階リビングの仕様が大きなデメリットになる可能性もあります。

ただし、高齢者でも元気に運動されて健康な方も多いので「運動をしたい」方にはメリットになる可能性もあります。

夏は暑くなる傾向がある

2階リビングの場合、直射日光を浴びる屋根のすぐ下に部屋がありますので、どうしても部屋の温度が上昇する傾向にあります。

我が家も、断熱は発砲ウレタンフォームで夏で外気が30度まで上がっても1階は少しヒンヤリとしていますが、2階は流石に少し暑くなります。

2階リビングは夏のエアコン代は上昇する傾向にあります。ただし、冬場に日光がしっかりと入るのであれば冬場はメリットになりやすいと言えます。

太陽の日差し

2階リビングを増築した私の実家の場合

私の実家【両親の家】のお話ですが、私が小学生の時に2階に素敵なリビングを増築しました。

とても見晴らしが良く、日光もすごく入ってきて当時は珍しかったシャンデリアまでつけて「こんな素敵な場所で過ごせるようになるんだぁ…」と子供心にウキウキしていました。

しかし実際には2階のリビングが活用される事は全く無く【結局家族全員が2階リビングに集まる事は1回もなかった?】、現在では物置に近い状態になっております‥

その理由としては、1階にキッチンや水回りがあり、階段をいちいち上り下りしてリビングに行くのが面倒というただそれだけの理由です。‥

我が家【両親の家】の場合、1階のキッチンの隣にリビングがありましたので、余計に2階リビングを利用しなかったのだと思います。

悪い例で申し訳ないのですが、2階リビングを計画されているのであれば、住みやすさをしっかりと確保しながら計画される事をお勧めいたします。



2階リビングのまとめ

2階リビングはどちらかと言えばデメリットが多く、生活導線や家事の導線との兼ね合いが非常に難しい仕様となりますし、広い土地をお持ちの方であれば1階のリビングが最適と言えます。

ただし、景観の素晴らしい地域であったり、狭小地や旗竿地でどうしても2階にリビングを設置されたい方もいらっしゃると思います。

ぜひ2階にリビングを設置する場合は、家づくりのプロの方としっかりと間取りを相談されるだけではなく、家族ともしっかりと話し合いの場を持ち、出来るだけ毎日の暮らしに負担の無い住まいにされる事をお勧め致します。